「未瑠...?」

そうつぶやく俺の声に反応したのか、


「グスっ...ズズズッ」


ますます泣き声が大きくなった。


そして...

「見つけた、未瑠。」


優しくよびかけると小さな肩を震わせた未瑠。



ベンチのそばにあったゴミ箱の陰で泣いていたらしい。


俺に見つけられたが相手は未瑠だ。


そう簡単に、素直になることはないだろう。


ごしごしと目をふいて俺に向かって微笑んだ。



「あ、はっ。直、どうしたの?汗びっしょりだねっ。」

「未瑠。」

「だから、どうしたのそんな怖い顔して。私はなんともないよ?」

「未瑠?」

「城山さんだっけ?生徒会長で、しかも美人だよねっ」


うれしそうに微笑むけどその表情にうれしい色はなかった。



俺の体は勝手に動いていた。