直SIDE


「なーおくん?もしかしてカナから逃げようとしたの?」


びくっとして俺は後ろを振り返った。



「お前、追いかけてきたのか。逃げようも何も俺はお前とは...。」



付き合えねぇ。


そういうつもりだった。



だが、城山はそんなに甘くはなかった。



俺の唇にやわらかい感触。

鼻を刺す香水の香り。