「ねえ、直くん。聞いてる?カナの話。」


不機嫌そうにそういってきた城山カナ。



「あ...聞いてません。俺、もう帰っていいですか?」

俺って、やっぱり女嫌いか?


いや、でも未瑠は好きだ。



「はぁ...もう、だからはっきり言うとカナと付き合って?」


ね?と俺の腕に自分の腕を絡ませてきた。


香水のきつい香りが鼻をさす。


気持ち悪い...。


「いや。俺、彼女いますけど。」


俺は、迷いもなくそう答えた。



だけど、城山はにやっと笑ったんだ。

背筋に寒気が走る。