「やっぱり、言いにくかったにしてももっと早く相談しておけばよかったなって。」


「...ううん。私こそ、由宇の気持ちも考えずに黙りこくって。」



自分のことしか考えられなかったんだ。


「そっか...。でも、ちょっとうれしかったんだ、私。」


夕日に染まる由宇が髪の毛を揺らして微笑んだ。



「なんで...?」


私の沈黙がうれしかったってどういうこと?



「未瑠がショック受けてくれてるのが分かったから。もしかして、そうなの?じゃあ、ばいばいってそっけなくされるんじゃないかって思ってた。」



「そんなこと...」


ないって言おうとしたら由宇がさえぎった。



「でも、よかったってそう思えたから。」



「うん...。由宇。」


ん?と首をかしげた由宇。