俺は・・

どうしても

我慢できなくなっていた。


YESと返って来る確率は

非常に低いと解っていながら。


そりゃ、

いろいろクリアして行かなきゃ

ならない事は

たくさんあるだろう。


でもこの関係を

壊したくないなんて

尻込みしてちゃ・・

お前を守る事なんて

到底ムリなんだ。


これを第一歩としよう。

例え、失敗しようとも。



「・・・返事はある?」



今、目の前で固まってる

ナギから目を離せない。


右目を見開き、

衝撃を受けている。

それでも、

目を反らしちゃいけない。



「そんな・・急に・・」



やっと困惑の言葉を

露にしだした。

先に目を反らしたのは

彼女の方だった。




「そんなに

慌てる事・・ないと思う。」




そして部屋に戻って来くると

備え付けの冷蔵庫から

ミネラルウォーターを取り出し、

ゴクゴクと喉に流し込んでいる。


どうやら緊張したのは

俺だけではないらしい。