烝の部屋に向かって走っていると『ぎゃぁぁぁぁ!!』と悲鳴が聞こえた。


この声は平助!?


ま、まさか女の子と間違えられて襲われてたり…。


ヤバいと思い、私は全速力で烝の部屋に行き、思いきり襖を開けた。


「平助無事!?」


中を見ると、うつ伏せに倒れてる女の子とそれを見て爆笑している女性がいた。


「えっと…これは…」


なんだこの状況は…。


「おお、るい!!って、何やその格好!?」


「えっ?あっ、もしかして烝!?すごい美人…。ってあぁ、これ?なんか走りずらくて、ちょっと裾上げたの」


「せっかくの着物やのに、シワになったら大変や」


そう言って烝は、私の近くまで来るとその場に腰を下ろし、着物を直してくれた。