私も平助の後についていき中に入ると、たくさんの刀が並べられている。


この中から選ぶって…時間かかりそうだなぁ…。
せっかくの休みなのに、平助に悪いことしちゃったかも。


「見ているだけでなく、どうぞ手に取ってみてください」


辺りを見渡していると刀屋の主人であろう老人が話し掛けてきた。


「は、はい!!」


って、返事したのはいいけど、どの刀から触れば…。


たくさんありすぎて悩んでしまう。


その時、お店の奥に置いてある真っ赤な柄の刀が目に入る。


「あ、あの。あそこの奥に置いてある刀、触っていいですか?」


「えっ…。い、いや…しかし…」


「じいさん、もしかしてあれ、売り物じゃないのか?」


「ああ。まあ、触るだけなら構わない」


「だってよ。触ってみれよ。るい」


私は真っ赤な柄の刀に近づき、手に取った。