だけどその後も刀屋さんを見つけることが出来ないまま、屯所へ戻ってきてしまった。


刀買えなかったな。


ボーッと縁側に座っていると、トントンと肩を叩かれた。


「るい、初巡察お疲れ!!あっ、隣座っていい?」


「平助。うん、いいよ」


平助は隣に座ると、私の膝の上にお饅頭を置いた。


「お饅頭?」


「おう。疲れた時は甘い物が一番って言うじゃん。だからるいにやる」


「ありがとう平助」


「お礼なんかいいって。遠慮せずに食え」


「うん。いただきます」


袋からお饅頭を出し一口食べると、ちょうどいい餡の甘さが口いっぱいに広がる。


おいしい。