今この子血花月って言った?いやいやいや。血花月は刀だし、人間なんてあり得ない。


「急に頭痛くなったし、これは夢か死の世界が見せてる幻だ。うん」


一人で納得していると男の子はむすぅと頬を膨らませた。


「昔の主はすぐ信じてくれたのに。るいちゃんひどい…」


そんな可愛い顔で言われても普通疑うって。


「まぁいいや。ぼくね、るいちゃんに謝りたいことがあるんだ」


「謝りたいこと?」


「うん。ぼくはね、主の愛する人を救う代償に主の寿命を半分もらう妖刀なの。だからるいちゃんが願ったとき、彼が愛する人だと思った。でもるいちゃんはもう一人のことも願ったよね?」


もう一人?平助だけじゃなくてもう一人??


「えっと…平助のことはお願いしたけど他には…。というか、愛する人じゃないから!大切な家族だからお願いしたんだよ!!」


そう言えば血花月は、はぁ…とため息をついて呆れた顔をした。


「まだ自覚してないんだ。そっか。だから二人の命を救えたんだ…。でもそのせいでこの子は…」


俯いてぶつぶつと言っているから何を言っているのか全く聞こえない。


「なんでこうなったかは理解した。でもそれに気づかなかったぼくには責任がある。ごめんなさい」


私から離れ、血花月は頭を下げた。