私が泣いちゃダメだ!辛いのは沖田さん自身なんだから!!


泣くのを耐えようとした唇をグッと噛むと、そっと沖田さんの手が私の頬に触れた。


「噛んじゃダメです…。血が…出ちゃ…ゲホッ、ゲホッゲホッ…」


「沖田さん!喋らないで下さいっ!!」


「すみません…。僕は…平…気…」


頬に触れてた手が離れ、沖田さんはそのまま意識を失ってしまった。


沖田さんの結核って、どこまで進んでるの?沖田さん…死なないよね?死んじゃやだよ…。


「沖田さん、今誰か呼んできますね!!」



「そこにいるのは誰だっ!!!」


後ろからドスの聞いた声が響き振り向くと、普段の優しい顔からは想像できないくらい怖い顔をした近藤さんが、刀を構えながら立っていた。


「近藤さん!!」


近藤さんの名前を呼ぶと、近藤さんは怖い顔崩し、ポカンとした。本来いないはずの私がいるんだから納得だ。


「るいくん、どうしてここにいるんだい!?」


「それは後で説明します!それよりも沖田さんを早く屯所へ!!」


少し横に移動し、沖田さんの姿を見せると、近藤さんは総司!!と叫びながら駆け寄り、すぐに沖田さんの口元に耳を傾けた。スースーと呼吸していることを確認しホッと胸を撫で下ろす。