「安心しろ。島原に売るつもりはない。ただ、お前と話がしたいだけだ」


話…?


「玄瑞!!姫様の到着だ!」


「はいよ!…って、本当に姫様連れてきたのかよ」


玄瑞と呼ばれた人は、木の上から降りてきた。


というか、姫様って何?


「あの!私、姫様じゃありません!!ちゃんと柚月るいって名前があります!」


そう言うと何故か高杉さんと玄瑞さんに笑われた。


私、何か変なこと言った??


「くくくっ。そうだよな。名前があるのに勝手に姫様呼ばわりされちゃあ、気分悪いよな」


「悪かった…るい」


「わ、わかってくれたなら良いです…」


「でもさぁ、ゆずちゃん。普通、名前よりここに連れてきたこと怒らない?しかも高杉なんて、さっき島原で君にひどい事したんだから」


笑いながら話す玄瑞さんに私はハッとした。