「本当にお前は新撰組の人間なんだな」


屋根から会いたくない人の声が聴こえた。


「高杉さん…」


どうしてここに…。


高杉さんは、屋根から飛び降り、私の目の前に着地した。


近い距離に身体が震える。


だ、誰か呼ばないと…。


「だーっん、んんっ!!」


高杉さんに手で口を塞がれて、助けを呼べない。


「騒ぐな。何もしない」


そう言うと、口を塞いでいた手をどけ、優しく抱きしめてきた。