それから俺は、山崎の部屋で化粧をしてもらった。


もちろん着物は自分で着た。


「藤堂さん素敵!!」


「可愛いで。平子ちゃん♪」


「うるせぇ!!可愛い言うな!!」


こうやってからかってくるから嫌なんだよぉ。


にしても、今回化粧に時間かけすぎ。もう昼だ。


「さて、平子ちゃんの準備は終わったことやし、るいを探すとすっかな」


「それじゃあ、私も一緒に探します」


そして二人は部屋を出ていった。


一人残された俺は、ぼーっと中庭を眺めた。


するとすぐに山崎が戻ってきた。


「るい見つかったの?」


「まあな。今、お宮はんが着付けと化粧してんで」


るい、今化粧してんだ。早くみたいなぁ。