甘くて切なくて、愛おしくて




男の子がドアの越しにあたしを黙って見つめている。


なんだろう?


首を傾げてみると男の子はくるりとこちらの方を向いて、
それから


「僕が悪いんだ、だから怒らないで」


俯いて話した。


いきなりの発言にどうしていいか分からず、ぽかんとなってしまう。


「お願い、僕が全部悪いんだ。だから怒らないで」


僕が全部悪い..?


怒らないで....?


そこまで言われて思い浮かぶ事と言えば一つ。



「もしかして、昨日の?」


質問するとその子はこくんと小さく頷いた。


「そう、なんだ」


彼の服には名札があって。そこには“沢城ユウキ”と書かれてあった。


そっか、


そういう事だったんだ。