甘くて切なくて、愛おしくて



こっちは朝からあなたのせいで最悪な一日だったんだから、
これくらいやってもらっても平気でしょ?


「分かりました。拭かせてもらいます」



そう言うとその人は家の中に入って来た。



何よ、さっきまであれだけ偉そうに言ってたくせに。



「ハイ、タオル」


「どーも」



タオルを渡すと彼はしゃがみ込んで濡れてる場所を拭き始めた。


何も言葉を発することなく。


毒を吐く事もなく。


ただ、黙々と作業を続ける。


それがあまりにも耐えられなくなって。


「あの、どうしてこんな事になったんですか?」



あたしはついそんな質問をぶつけた。