「ユウキ君..」
「でも父さんはいつも俺に話してくれる。母さんとの事も、俺が生まれてどれだけ嬉しかったかも。全部全部教えてくれるから。だからちっとも寂しくないし、母さんは俺の自慢の母さんなんだ」
そう笑いながら話すユウキ君は本当にお母さんが大好きなんだな。
本当に、お母さんの事
またも胸が痛み出す。
どうして?
これじゃあまるで..
もやもやする気持ちの中、夕飯を食べたあたし達。
ユウキ君はもういいとカレーを半分以上残してしまった。あまり好きじゃないのかな、なんて思いながらも後片付けをしにキッチンに入る。
ユウキ君は食後すぐに部屋に戻った。ご飯を食べる少し前から元気がないんだけれども、何かしてしまったんだろうか..
カチャカチャと食器を鳴らしながら洗い物をしていると
テーブルの上に置いてあった携帯電話が鳴り響いた。
もしかしたら沢城さんかもしれない、急いで携帯に出ると
「あ、加賀見さん?佐野です」


