「対決だぞ」
「た、対決!?」
「当たり前だろ?だって連携なんてつまんねぇし。いくぞ、ほら!」
「え、ちょっと待ってよ!」
言われるがまま画面を見つめようとしたその時だった。
テレビのすぐ横にある写真立てに嫌でも視線がいってしまった。
優しい笑顔で微笑む女の人と、その人に抱かれた小さな赤ちゃん。
そして二人を包み込むようにして後ろに立っている男の人。
これは..沢城さん..
「おい、何やってんだよ」
いつまでもキャラを動かさないあたしにイライラしながらユウキ君の声が聞こえてくる。
でもあたしは、あまりにも幸せそうなこの写真から、
目が逸らせない。


