甘くて切なくて、愛おしくて




どうってそんな事言われても..


「今日は少し残って仕事したいんです」


「あ、そうなんだ、それじゃあ今のその仕事成功したら、お祝いなんてどう?」


「あ、いいですね、それ!やりましょう!!」


「じゃあ来月ね」


「はい!来月、あたしお店選んでおきますので」



佐野さんは笑顔で自分の席に戻って行った。あの人、本当にいつでも笑顔だよなぁ、なんて考えながらパソコンに向かって作業を始める。




デスクトップには先程までやっていた仕事のデータが残ってる。

後はこれを昨年のと比較した結果を入力して、っと。



ふと美香子の言葉を思い出してしまった。



「バカらしい」


だって佐野さんがあたしにそんな変な感情を持ってるわけはないんだ。


頭を左右に思い切り振ってから再び仕事を再開させた。







「じゃあ宜しく頼む」


「はい、任せてください」