甘くて切なくて、愛おしくて





こんな気持ちは、もしかしたら初めてかもしれない。




「ふふ~ん♪」

「なに~鼻歌なんか歌っちゃって~」



頼まれた用紙をコピーしてる最中にポンっと肩を叩かれて振り返ると、同僚がニヤニヤした顔で見つめてくる。


ってか今、あたし鼻歌歌ってた?



「しかもその浮かれてる顔!嫌らしいなぁ~」



同僚に言われて慌てて顔を元に戻す。


危ない危ない



「何かいい事でもあったの?」


質問されても、それが本当の答えなのかは分からない。


だって自分でも分からないんだもの、昨日の、沢城さんとのやり取りから

ずっとこんな気持ちになってる。


「もしかしてあの人?それとも例の人?」