甘くて切なくて、愛おしくて



そんなの、俺が知るかよ。


先程の言葉通り、勝手に関わって来てくせに。


全く関係ない、他人のくせに。



「嫌、なんです。ユウキ君に今の沢城さんの顔、見せたくないんです」




突然何を言い出すかと思えば


何なんだよ、何でそんな言葉が出てくるんだ。



「な、んで..」


「子供って小さい事でもすぐに察しちゃうんですよ?それが悪い事ならなおさら」


寂しげに照らす街灯の明かりが加賀見の顔に当たり、嫌でも見えてしまった。


今にも泣き出しそうな、切なくて、寂しい顔が。


咄嗟に視線を外した。どうやら俺の視線には気が付いていないようだ。加賀見は話を続ける。


「ユウキ君の前でそんな悩んだ顔、しないでください。きっと..ううん、絶対に気になるはずだから」