甘くて切なくて、愛おしくて




参った、まさかこんな事になるとは..



電車を降りても、帰り路を歩いても考えはまとまらない。大体、何で俺がそんなのに参加しないといけねぇんだよ。


「クソッ!」



あの場で言ってやろうかと思った。全部ぶちまけてスッキリしてしまいたかった。

でもそうしようとすると決まって前の校長の顔が、言葉が頭を過ぎるのだ。



“子供が先に出来るなんて、教師がする事じゃあない”


分かってはいたことだけれども、その言葉は大きく、重く、俺にのしかかってくる。だから当然、言葉にしてぶちまける事も出来ず、結局


「考えときます」


それしか言えなかった。


俺がもっとちゃんとしていたら、そうしたらこんな想い、
しなくても済んだのかもな。


だけど、過去は変えられない。

いくら悔やんでも、何をしても
前に進むしかないんだ。



「どうすっかなぁ」



思考を改めて先程の飲み会に移そうと思ったその時だった


「あれ?沢城さん?」