甘くて切なくて、愛おしくて



よく見ると自分の名前がやけに綺麗な字で書かれている。

犯人がこのボードに近いこのハゲ教師じゃないとすると、考えられるのは..



「小林先生っすね」



すぐに視線を彼女に向ける。と、ちっとも悪びれた様子もなく、寧ろ満面の笑みを見せる。


なんで笑ってんだよ..


「あちゃぁ~バレちゃあしょうがないか!」



いや、バレちゃあって..すぐにばれるだろ、これ。


怒る気も失せ、ただため息が出る。仕方ない、不参加に名前を書こうとすると
ちょっと待ったと小林先生が叫んだ。



「何ですか?言いましたよね?俺不参加にしますって」


「でも困るんです、今回は全員参加だし..」


「人の都合とか考えないんですか?」


「うん、職員全員参加なんですよね。それに..あたしの時も不参加だったし?」

「そんな事言われても、困るんですけど」

「とにかく!全員参加ですので!お願いしますね~」