「近藤さん、これで間違いない?」

「あぁ。僕の記憶力が正しければ、だけど。ここを曲がったら黄助くんが連れてってくれた場所だよ。」


近藤さんはそう言うと

気をつけてね、と俺の肩を叩く。


「行ってきます。」


角を曲がって歩いていくと見えてくる、大きな城。

蝙蝠が飛んでいても違和感の無い造りだ。


魔王を倒しに来た勇者!


そんな気持ちで大きな門につく。

門がゆっくりと開いた。


あいつらは置いてきて正解だったな。


招かれざる客というところか?

刀を掴む。大丈夫、生きて帰るさ。


俺は建物へと入った。



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「……。」


その様子を遠くで見ていた一人は、音を殺して歩き始めた。