仕事に集中しなければいけないと思いながらも、気付けば別の席から誠也ばかりを気にしていた。 こんな気持ちは久しぶりだった。 さっき掴まれた手首の感触とあの目が頭から離れない。 もし、今居るお客さん達が早く帰ればまた峠さん達のいる席につけるのに… だけど、そんな事を思ったって都合良くいくわけなんてなく、先に帰ってしまったのは峠さん達だった。 今日は女の子が少ない為に、見送りすら行けない。 誠也が帰ってしまった店内は酷く寂しいものに思えた。