「あっ、はい…」

「ゆっくりと店内をご覧ください。何か気になるものがございましたら、なんなりとお尋ねください」

「はい」

店内の奥から出てきた青年は、親切そうだった。

最初にいた三人に何か言うと、彼らは店の奥へと移動した。

彼女はちょっとほっとした。

あんまり接客トークで話しかけられるのが苦手だったからだ。

店内を見回すと、可愛く、キレイな小物が多い。

しかし窓際にはテーブルとイスのセットもある。

「あの、このテーブルとイスも売り物なんですか?」

「えっえっとですね。こちらは喫茶スペースとなっております」

何故か青年は引きつった苦笑を浮かべた。

「じゃあ何かいただけるんですか?」

「ええ、お望みとあらば飲み物とお菓子をお出しします」

「それじゃあお願いします。えっと、メニューは…」

「本日はハーブティーとスコーンになっております。よろしいでしょうか?」

「ええ、お願いします」

彼女がイスに近付くと、青年はイスを引いてくれた。

「あっありがとうございます」

「いえいえ。それでは少々お待ちください」

青年は笑顔で、店の奥へ行った。