「凪っ」
そこに秀と藍がやってきた。
葵は慌てて手を引っ込めて、後ろに回す。
それと同時に、凪も手を引っ込めた。
「ごめん。ちょっとムキになっちゃったかもしれない」
「藍なら大丈夫だから…もう、びっくりしたぁ」
藍がそう言って力無く肩を落とすと、凪は微笑んだ。
悲しい目をして下を向く葵を、秀が見つめていた。
休み時間。
藍は職員室に行ってしまい、葵は予習をしていた。
「西園寺っ」
秀が駆け寄ってきた。
葵の前の席に座り込み、頬杖をつく。
「んー?」
今ちょっと話せない、という声でペンを走らせる。
複雑な計算式が、次々と解かれていく。
「お前さ、凪先輩のこと好きなの?」
「は?」
葵は思わず秀を見た。
”間違ってる?”と言わんばかりに真剣に見つめられて、葵はたじろぐ。
言い訳をすれば良いと思ったのだが、頭に浮かばない。
「…やっぱり、そうか」
秀は目を閉じてそう言った。
認める他に対応の手段が見つからなかったので、気まずそうに秀を見る。
秀はくしゃっとした笑顔を作ると、
「秘密にしとくよ!」と言って教室を出て行った。
はっとした顔で葵は周りを見渡し、ため息をついた。
藍はまだ戻って来ていない…。
自分が最低の恋をしていることくらい、分かってる。
だけど止めてって言われて止められるものじゃない…。
「…やっべー」
秀は教室から出た後、即座に座り込んだ。
こんな姿、葵には見られたくない。
秀はずっと前から葵が好きだった。
ー西園寺はアイツが好きだったんだ…。
凪は、男の俺から見ても格好いい。
勝てる訳が無い…。
そこに秀と藍がやってきた。
葵は慌てて手を引っ込めて、後ろに回す。
それと同時に、凪も手を引っ込めた。
「ごめん。ちょっとムキになっちゃったかもしれない」
「藍なら大丈夫だから…もう、びっくりしたぁ」
藍がそう言って力無く肩を落とすと、凪は微笑んだ。
悲しい目をして下を向く葵を、秀が見つめていた。
休み時間。
藍は職員室に行ってしまい、葵は予習をしていた。
「西園寺っ」
秀が駆け寄ってきた。
葵の前の席に座り込み、頬杖をつく。
「んー?」
今ちょっと話せない、という声でペンを走らせる。
複雑な計算式が、次々と解かれていく。
「お前さ、凪先輩のこと好きなの?」
「は?」
葵は思わず秀を見た。
”間違ってる?”と言わんばかりに真剣に見つめられて、葵はたじろぐ。
言い訳をすれば良いと思ったのだが、頭に浮かばない。
「…やっぱり、そうか」
秀は目を閉じてそう言った。
認める他に対応の手段が見つからなかったので、気まずそうに秀を見る。
秀はくしゃっとした笑顔を作ると、
「秘密にしとくよ!」と言って教室を出て行った。
はっとした顔で葵は周りを見渡し、ため息をついた。
藍はまだ戻って来ていない…。
自分が最低の恋をしていることくらい、分かってる。
だけど止めてって言われて止められるものじゃない…。
「…やっべー」
秀は教室から出た後、即座に座り込んだ。
こんな姿、葵には見られたくない。
秀はずっと前から葵が好きだった。
ー西園寺はアイツが好きだったんだ…。
凪は、男の俺から見ても格好いい。
勝てる訳が無い…。


