止まらなかった。

止められなかった。


カァッと、頭に血がのぼる。



「白石っ!!」



カナちゃんの声に、ようやく我を取り戻した。


……あれ?

俺……何やって……。


目の前には、縄で手と足を縛られたカナちゃんが。


その姿に、自分自身を殴りたくなった。


守れなかった。