好きなんです

靴を洗い終える。

トイレでは、洗わずに外まで行った。

教室に戻ると

「おはよー」

新からのあいさつ。

うれしい。

「おはよぉ」

和佳奈は、無理して元気を出す。

最近、いじめが続いててろくに眠れない。

しかも、さっきの話・・・。

胸が痛いよ。

「ん?おい、大丈夫か?顔色悪いぞ?」

新は、和佳奈を心配してくれるけど・・・。

心配かけたくないな・・・。

「大丈夫、大丈夫。元気だけが取り得だもん★」

精一杯の笑顔です。

「つうか、なんで靴持ってんの?履けばいいじゃん」

新が痛いとこを聞いてくる。

「いやぁ、濡れててさぁw」

「なんで?」

新は、眉間にしわを寄せて聞いている。

「洗ったからだよ」

普通に応える。

「・・・洗った?」

「うん、汚しちゃってw」

「おかしいだろ。汚すとかw」

「えへへへ」

ごまかせたよね?



・・・次の日も靴がない。

「お前、なんで靴ないの?」

「大丈夫!」

「何がだよ!」

「最近、靴脱いであるくのマイブームなんだ」

意味の分からないことを言ってしまった。

「は?」

新引いたかなぁ?

「いいのいいの大丈夫!」

ヤバい・・・。

泣きそうだ。

「へぇ・・・」

そう言って新は、男子のグループの方へ消えっていった。

なんか、もう嫌だよ。

先輩になんか会いたくない。

そう思っていると会っちゃったりするんだよね。

ほら。

「あんた、何しゃしゃってんの?」

佳苗先輩・・・。

「キメぇんだよぉ!!」

佳苗先輩にけり飛ばされた。

「痛い・・・」

涙が視界をぼやけさせる。

靴を隠されたり、間接的ないじめは、ずっと続いてたけど・・・。

暴力は、初めてだよ・・・。

思ったより痛いし。

佳苗先輩の殺気におされる。

「これ以上しゃしゃってっとただじゃ置かねぇからな」

「でも・・・」

「あぁ?」

「佳苗先輩、新のこと好きじゃないですよね?」

「だから、何?」

「それってひどいですよ」

「あぁ。いいのいいの。他にも十人くらいと付き合ってるし。みんな本気にしてねぇの。だからいいっつの。黙っとけクズ」

え・・・。

新は・・・。

本気だよね・・・?