好きなんです

in 教室

「ひよこ!」

「ん?」

なんだ、伽奈美かぁ。

ぼーっとしてたから、まさか先輩かと思ったよ。

「え!?なんで裸足!?」

「靴下は、履いてるよ」

「そういうことじゃないでしょ!」

「まぁまぁ」

伽奈美は、心配してくれる。

「どこに持ってたの?」

「ううん。なんでもないよ。無くしただけだよ」

「はぁ?もういい。ウチ探してくる!」

そう言って伽奈美は、走って行った。

「ありがとぉ・・・」

何分かして伽奈美が帰ってきた。

「靴あったよ!トイレに落ちてた!」

「え・・・!?」

「ほら」

伽奈美は、和佳奈に靴を渡した。

「うぅ・・・。ありがとぉ!」

こんな小さないじめから少しずつ大きくなっていった。

伽奈美は、和佳奈がいじめられてることを知らない。

知らせたくない気もした。

心配させたくないと・・・。



−−−三日目

いじめが始まってから三日が過ぎた。

靴は、ドロドロになっていた。

「洗ってこよ・・・」

トイレに靴を洗いに行った。

和佳奈は、トイレの前で立ち止まった。

中から声がする。

「ねぇねぇ。佳苗ってさぁ、なんで一年坊と付き合ってんの?」

この声って・・・莉央先輩・・・。

「まっさかぁ!本命とかな訳ないっしょwwあっちが告ってきたから付き合ってんの!分かる!?あたしとじゃ釣り合わねぇよ」

え!?

それって・・・。

「遊びだよ、遊び!」

ひどい・・・。

そんなのってないよ。

頑張って気持ち伝えてくれた新があんまりにも、かわいそうだよ!

和佳奈の心に大きなヒビが入る。