好きなんです

−−−帰り道

「なんだったんだろぉ」

急に話しかけてきたと思ったら、様付け?

なんか、怖いなぁ。

佳苗先輩に話しかけられるなんて普通ありえないのに。

ちょっと、期待した和佳奈は、バカだよ。

「あ!」

和佳奈は、思い出して声を上げた。

噂じゃ、性格最悪って聞いたなぁ。

家の権力でいろいろやってるらしいし。

そういや『お楽しみ』ってなんだろう?

なんか、嫌な予感がするよ。



~次の日~


−−−in 学校

「あれ!?靴がない!」

下駄箱にあるはずの上履きがない。

「間違って違う人のとこ入れたかなぁ?」

探したけどない。

まさか・・・。

昨日の先輩達?

「キャハハハハハ!なんか、探してるよ!」

「ホントだぁ」

莉央先輩と菜々美先輩だ。

莉央先輩の右手には、

「和佳奈の靴!」

「うわぁ。自分のこと和佳奈だってぇ」

先輩二人は、顔を見合わせて大げさに笑う。

「ブってんじゃねぇの?」

「キモーイ」

「ちょっと!先輩!和・・・あたしの靴返してください!」

和佳奈は、無理やり『あたし』と言った。

「なんで、敬語じゃないの?」

「様はぁ?キャハハハハ」

「返して欲しかったら土下座しなぁ」

そう言ってどこかへ行ってしまった。

土下座なんてしない。

和佳奈は、悪くないもん。

そう思いながら靴下で教室へ向かった。