好きなんです

あの後、すぐに家に帰った。

全速力で走ったんだ。

走って走って息がもたないくらい。

「うぅ・・・」

少し泣けてきた。

無理して笑っても、新には、近づけない。

佳苗先輩をこえられない。



―−−翌日

今日は、席替えがある。

新と一緒になれるかな?

運命のくじは、六時間目。

ドキドキしていたらあっという間に時間は、すぎて。

「席替えするぞー」

担任の声にみんなが反応する。

神様お願いです!!

天使は、微笑むのだろうか?

それとも・・・。

「くじで決めるからな!不公平は、ないぞー」

男子がくじを引き始める。

ドキドキ

新は・・・。

廊下側の後ろから二番目だ!

男子が全員くじを引いた。

ゴクリ。

息を呑む。

男子は、はしゃいでるけど和佳奈は、真逆だ。

緊張しすぎてお腹が痛くなりそうだ。

・・・お願い。

くじに手を伸ばす。

ピタッ

手をとめて直感で決めたくじを引く。

・・・18番。

正反対の席だ。

「おぉーい。和佳奈ぁ」

伽奈美の声。

「間違えた。ひよこぉ」

ひよことは、和佳奈のあだな。

ひよこみたいに小さいから・・・というのが由来だ。

「席変えようよ」

「え?」

「ほら」

伽奈美が見せてくれたのは、なんと5番のくじ。

「それって・・・」

「そうだよ。新の隣!」

「ありがとぉおおおぉお」

「そんな、大げさな」

大げさなんかじゃないよ。

心からの本音です。

そんなこんなで明日から新の隣です。