好きなんです

「じゃぁ、ブスまた明日ねw」

佳苗先輩は、鼻で笑うと教室へ帰っていった。

よかった・・・。

みんないない廊下で・・・。

新だってあんな先輩見たら傷つくよ・・・。

和佳奈は、靴を探す。

いつもならトイレとかにあるのに、今日に限ってない。

「どこだろぉ」

和佳奈がいじめられているのに気付く人は、いない。

だから、一人で抱え込む。

そんな毎日・・・。



−−−六時間目

未だに靴が見つからない。

先生には、靴を忘れたってことにしてスリッパを履いている。

「おい」

授業中、新が話しかけてきた。

「裸足なのがマイブームじゃねぇじゃん」

「え?」

「だって、忘れたんだろ?」

「あ・・・うん」

そうだった。

新には、マイブームってことにしてたっけ。

「忘れるとかドジだよなぁ」

「あははは・・・」

「だって。今日、金曜日だぜ?」

感が鋭い・・・。

たしかに、月曜から木曜日まで履いてたのに金曜に忘れることなんて・・・。

まず、おかしい。

「なんで、持って帰るんだよw」

「いやぁ、汚れててね。昨日、金曜だと勘違いしてさぁ・・・」

和佳奈のキャライメージ、ドジっ子じゃん・・・。

「wwなるほどな」

そんな話をしてる間に授業が終わった。

「終わったー!」

新が伸びをする。

「俺、トイレ行ってこようかなぁ」

・・・いちいち、宣言しなくても・・・。


「いってらっしゃいー」

とりあえず、見送る。

・・・あ。

靴探さなきゃ。

和佳奈は、新の後を追うように教室から出て行った。