「こ・・・告白ですとぉー!?」

和佳奈(わかな)です。

一途な恋をするか弱い乙女。

「ほれほれ。早くしないと!」

和佳奈の友達の伽奈美(かなみ)は、和佳奈に告れ告れって言ってくる。

無理だって言ってるのに・・・。

次の授業は、体育。

和佳奈は、伽奈美にからかわれながら廊下を歩いている。

「・・・無理だよぉ!」

間をおいて話し始めたら案の定

「今、あいつのこと考えてたでしょッ!」

なんて言われてしまった。

「そ・・・そんなことないもんねぇ///」

とか言うけど

そんなのは、嘘です。

「顔に出てる」

そう言われるほど顔が赤い。

だって新(あらた)でいっぱいなんだもん♥

・・・本当なら告白したい。

この、張り裂けそうな気持ちを伝えたい。

でも、そんなこと無理なんだ・・・。

だって、新には・・・

美人で優しい佳苗(かなえ)先輩がいるんだもん。

和佳奈は、バカだ。

綺麗な彼女のいる、そんなアナタを好きになってしまったんだもん。

「早く走れぇーッ!」

体育の鬼教師が叫んでる。

「和佳奈。ヤバいよッ!」

「うん・・・」

和佳奈は、ポケーっと突っ立ってた。

「和佳奈ッ。危ない!」

―――ドンッ

鈍い音がした。

勢い良く走っていた男子にぶつかったのだ。

「和佳奈ッ!」

―――和佳奈は、頭を打って早退した。