さみぃなぁ
体が動かなくて、かと思えば腰が何かの重みを含んだ。
「ろーくん、起きてよ。そんなとこで寝てたら風邪ひくよ」
なつかしい台詞だった。
よく迎えに来させて、こう言われていた。
たぶん、この言葉には弱い。
のっそりと体を起こすことに成功し、そのまま布団に潜り込んだ。
「寝るんだ‥」
「‥さむい」
「えっ」
祥子はおれのおでこに触れてきた。
「熱ないよ」
「でもさむい」
あっためてくれ。
そんな心の声が伝わることもなく‥‥
「なんかあったかいもの作ってくる」
といって、毛布をかけてくれた。
「ストーブは? カイロとかないの」
「もう春だぞ」
「まだ寒い日あるじゃない」
つかそんなもんじゃなくてさぁ、人肌のぬくもりが一番てっとりばや‥‥ええと、


