「あいつ、どーせ残業でしょ?
それまで一人で待つのも
なんだから、ディナー付き合ってよ…
…名前、何て言ったっけ?」
「あ、申し遅れました。
橘光と申します!
いつも葉山さんにお世話になってます。」
ペこりと頭を下げると
頭上でクスクスという
笑いが聞こえた。
「葉山空(ソラ)です。
よろしくね、光チャン!」
「あのぉ、なんで笑ったんですか?」
再びクククと笑った後で
「面白い子だね、君。」
と言った。
なんとも掴みにくい人だ。結局、なんで笑われたのかも不明のままだし…
「じゃ、とりあえず光チャン。
陽介に○○レストランで
待ってるって、メールしといてよ。」
「え、わたしが、ですか?」
「光チャン以外に誰がいるの?
ま、いいや、俺が打つよ。
貸して。」
と、言ってわたしの手から
ケータイを抜き取る。
…なんか、デジャヴュ?!

