「…次の角、曲がってください。」 久しぶりに発したわたしの声は、 少し掠れていた。 「左折?右折?」 …そう言った葉山さんの声も 少し掠れていて、 セクシーだな、なんて惚れ惚れ… …してる場合じゃなくって! 「あ、すいません! 次の角右折した左手のマンションです!」 慌てて言うと、 葉山さんに、チラッと流し目で見られ ズクンっと胸が大きく音たてた。