「でもさ、そんなこと考えててもさ
誰がわかってくれるわけでもないじゃん。
なにしろ俺は、
クールで何でも出来て、
おまけに一人が好きな
孤高の王子様だったからさ。
それが嫌なら
もはや自分で自分を変えるしかないって
わかってた。
わかってたんだけどさ、
そんな勇気、俺になくてさ
今までずっと
みんなに被せられた
仮面をつけて生きてきた。
どんなにそれが
きつくても、
苦しくても、
誰もとってくれなくて
自分でとることもできなくて、
いや、とろうと思えば
いつでもとれた。
でも俺はとる勇気じゃなくて
我慢し、たえる勇気の方を選んだ。
仮面をとった後、世界が変わるのが怖かった。
そのあと、どう生きればいいのか
わかんなかったから。
…そんなときに、お前に会ったんだよ。
お前のこと、はじめて見たときから
俺と同じ何かを背負ってる気がした。
だから、そんなお前に
おふくろに会え、って
後押しされたときは
心底驚いたし、
やっぱ、こいつも
俺の気持ちわかってねぇんだな、って
冷めた気持ちにもなった。」

