死刑囚と犬

「私達?」


男が一瞬不思議そうな顔をすると


カウンセラーは慌てた様子で
お辞儀をする。


「どうやら長居をしすぎたようですね。
これで失礼します。


ララちゃんと触れ合って
どうか自分の大切なものを

取り戻して下さいね」


カウンセラーは風の様に
部屋から出て行った。


男はため息をひとつ。


「私達…あいつのほかにも
俺に会いたい奴がいるのかな。


まあいいか」