死刑囚と犬

カウンセラーの言葉を聞いても
男は無表情。


男はゆっくりと
口を開く。


「死刑になって当然ってことは分かっている。
それだけで十分じゃないのか?」



カウンセラーはその言葉を聞いた瞬間
憐みともつかない顔を男に向ける。



「なるほど…分かりました。



質問を変えます。



あなたに大切なものはありますか?」