死刑囚と犬

「奴隷である事にも気が付かず!


作られた流行に乗り続ける
子供時代を送り!


受験ゲームを乗り越え
白痴のごとき学生生活を送る!


そして住宅ローンと言う
人を営々と働かせる足枷をはめられ


人は死んでいくんだ!」



大きな声を出した男に
驚いた犬はとび起きて


男から離れる。




男は犬を一瞥した後
大きなため息をついて


一言つぶやいた。


「俺はそんな人生が嫌だった」