死刑囚と犬

飯粒を食べ終わった犬が
男の傍らに座り


丸くなる。
眠たくなったのだろうか。


でも耳を立てて
男の話を聞いているようだ。



「ネット越しに聞こえてくるんだ。
世間に対する憤り。恨み。


すべては八百長。
一部の人間が良い思いをし


その他の人間は奴隷。
いや奴隷以下かもしれない」



男は大きく息を吸い込んだ。