死刑囚と犬

でも子犬の力では
男にかなうわけもない。


やがて子犬は抵抗するのをやめて
悲しい目で男を見つめるだけになった。



「思い出すなあ…」



ぽつりとつぶやく男。



尻尾を伏せて
ブルブル震えながら


子犬は男をじっと見つめる。




「こいつを見てると


思い出すよ」