死刑囚と犬

男は初めてカウンセラーと
目を合わせた。


「もうすぐ死ぬって言うのに
心のケアなんて必要ない」


うなずくカウンセラー。


「確かにあなたの言う通りかもしれません。


でも騙されたと思って
私のケアーを受けてみてくださいよ…


あ!来た来た」


カウンセラーは看守から何かを受け取った。



受け取った何かを大事そうに抱えながら
男の前に座ったカウンセラー。



その時カウンセラーの抱く
何かが声を出した。



「くうーん」