死刑囚と犬

看守はカウンセラーの言葉を聞くと
少し驚いた顔をした後


どこかへ走って行った。



男の方に向き直るカウンセラー。


顔に張り付いたような
笑顔を浮かべている。


「あなたには大切な感情が
一部欠落しているようだ。


私があなたの荒んだ心を
ケアーしてあげますよ」


胸を張ってにっこり笑う男。



「私はプロですよ。


お任せください」



「余計な御世話だよ」