【完】君しかいらない

絶対ヤダ……。


こんな……こんな人に、


絶対に、あっくんを渡したくない!!!



「ダメ……!絶対ダメ!!!」



気がついたときには、あたしは無我夢中で女の人の髪を引っ張っていた。



「痛ーーーーいっ!なにすんのよっ!!!!」



「あなたなんかにっ……あっくんは渡さないっ!!」



「……は?アンタ頭おかしくなった!?イヤっ、ちょっ……やめっ!!!!」









――ブォーッ!!


「キャーッ!!」


女の人が、いきなりアクセルをふかしたせいで、


あたしの体は地面へと投げだされた。