【完】君しかいらない

いつもなら、カエルの鳴き声を聞いただけで耳を塞ぎたくなるけど、


今日はなにも感じない………。


池の周りに柵があって、あたしは池の方を向いて、ボーっと立ちつくしていた。



カエルになったら楽なのかな。



一日中、ケロケロ鳴いて……。








そのとき、後ろから突然大きなクラクションの音がした。


――ププーーーーーーッ!!!!


「ひゃっ!」


慌てて道の端に飛びのくと、空いた窓から女の人が顔を出して、あたしに向かって叫んでくる。


「ちょっとアンタ!!危ないじゃないっ!!ボーっと歩いてんじゃないわよっ!!!」