【完】君しかいらない

「父親も母親も、愛梨がかわいくって仕方がないんだよな。今回の引っ越しだって、愛梨のことを考えたら、こっちに残る選択肢だってあった。

だけど、せめて高校卒業するまでは、どうしても手元に置いておきたかったんだよな…うちの親は」


「愛梨ちゃん…親父さんとすげえ仲良さそーですもんね」


「まーね…。俺もそうだけど、かなり甘やかして育てたから、逆境に弱い。なにかちょっとあると、すぐに泣くしね」


…そーいえば。親にバイト反対されて、泣いてたときが、あったっけ。


押しきって勝手にやるとか、方法なんていくらでもあんのに、それができないのが…愛梨ちゃんなんだろーな。






「実はさ、夏休みにこっちに来るお金貯めたいからって、バイトしたがってたんだよね。だけどうちの親、猛反対してさ。

反対の理由は…バイトすると家族の時間が少なくなるから…なんだって」


「…へぇ」


それで反対してたんだな。


愛梨ちゃんが思ってた理由とは…違ったんだ?