【完】君しかいらない

「次は○○線?乗り換え多いし、激混みだし、愛梨ちゃんの兄貴も毎日通勤大変だよな」


「うん…でもね、お兄ちゃんの仕事ってシフト制だから、少し遅い時間の出勤の日もあるし、平日が休みだったりって色々で、その辺はあんまり気にしてないみたい」


「へー」


「ちょっと前はね、彼女と同棲してたの。でも別れちゃって」


「そっか…」


“別れる”っていう言葉に敏感になってるのか、奏太くんは一瞬あたしから目を逸らした。


あっくんとあたしのこと、気にしてくれてるんだよね?


「あっ!あたしが今着てるこの服ね、彼女のなんだよ。フラれた彼女に買った服、捨てずにとってたの。信じられないよね」


「マジ!?そっかー、俺フられたことないから、その心境ちょっとわかんねーな」


そんなことを言いながら、奏太くんはケラケラと笑ってる。