【完】君しかいらない

「行こ…って。ひとりで大丈…」


「大丈夫じゃねーじゃん。俺どーせ時間あるし、兄貴のマンションがある最寄駅まで送ってく。そんな遠くないんだろ?」


「えっ!?いいよ、いいよ。奏太くん、新幹線に乗り遅れちゃう」


「別に乗り遅れてもいいけどなー…」


あわよくば愛梨ちゃんの兄貴にも、ちょっと会ってみたい気もする。


「そんな、この辺って観光するところなんて、特にないよ?」


いや。観光する気なんて、さらさらないけど?


「ま…適当にしまっす。行こーぜ」






戸惑ってる愛梨ちゃんの背中を押すと、迷いながらも俺と一緒に歩きだす。


あ~、このままどっかに連れていきたい。


ついでに、一緒に旅行できたらサイコーなのにな。







「……なに?あたしの顔に、なにかついてる?」


歩きながら、愛梨ちゃんの横顔をジーッと見てたら、愛梨ちゃんが不思議そうに首を傾げる。