【完】君しかいらない

「昨日、回し飲みムリっつってたよな?いらねーって」


手を振ると、愛梨ちゃんが俺に押しつけてきた。


「ううん、ちょっと飲みたかっただけだから。全部あげる」


「いや…」


いらねーと言いたいとこだけど…やっぱ、もらう。


変なイライラが、あっという間にどっかに吹っとんだ。


こんなことで機嫌直す俺って、ガキだよな。






「あ、笑ってる。それおいしーよね。あたしよく買うんだ~」


レモンの炭酸水。


なんとなく、愛梨ちゃんっぽい。


「…行こ。愛梨ちゃん、5番線だろ?もうすぐ電車来るから」


さりげなく愛梨ちゃんの手をとって、ベンチから立たせる。